改正労働契約法の詳解~Q&Aでみる有期労働契約の実務~

カテゴリその他法律・法令
著者
編者/編集第一東京弁護士会 労働法制委員会 編
監修
発行労働調査会
発行日2013/02/28
判型/頁数A5判/384頁
価格
2,530円(税抜 2,300円)
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【1部 330円税込】
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商品コード301298
ISBN978-4-86319-298-0
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制作

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執筆者一覧

【編集代表:弁護士】

安西 愈(労働法制委員会委員長)

木下 潮音(同委員会労働契約法部会部会長)


【編集:弁護士】

内田 靖人

倉重 公太朗

近衞 大


【執筆者:弁護士】

藤田 進太郎

石井 拓士

瓦林 道広

丹羽 翔一

平成25年4月1日に施行される改正労働契約法により、「5年を超えて」有期労働契約を継続した場合、有期契約労働者は、無期契約労働者へ転換することが可能になりました。

本改正により、新たな就業規則の作成の必要性等、多くの実務上の対応が求められます。本書は、Q&Aを用いて、本改正の内容と問題点、企業の実務上の対応策について、網羅的に詳解。企業人事担当者必読の一冊です。

第1編 総論

第1章 日本型安定雇用を壊す雇用強制立法

~改正労働契約法とわが国の雇用システム上の問題点~

第1節 日本型安定雇用社会

第2節 日本型安定雇用社会と有期労働者

第3節 日本型雇用社会の変化

第4節 有期労働契約の法規制への政策展開と問題点

第5節 わが国企業の雇用体系を混乱させる法改正

第6節 改正法による雇用強制と採用の自由の問題


第2章 有期労働契約に対する規制の概要

第1節 有期労働契約に対する従来の主な規制

1 有期労働契約の意義

2 契約締結段階における規制

3 有期労働契約終了段階における規制

第2節 新労契法18条~20条の概要

1 有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換

2 有期労働契約の変更等

3 期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止


第2編 各論(Q&A)

第1章 有期労働契約から無期労働契約への転換に係る法改正

~無期労働契約への転換に関する実務上の問題点・留意点~

第1節 改正労契法18条の条文文言

1 条文の内容

Q1 改正労契法18条の条文の内容は。

第2節 無期転換申込権発生の要件

1 改正18条の概要

Q2 改正労契法18条の改正経緯及びその改正内容の概要は。

Q3 転換権とは何か。

Q4 転換権の法的性質は。

2 転換権の発生要件に関して

Q5 転換権が発生する要件は何か。

Q6 通算契約期間を算定する際の要件となっている「同一の使用者」とは何か。

3 クーリング期間に関して

Q7 クーリング期間とは何か。

Q8 派遣や請負により労務提供を受けた期間を、クーリング期間として扱うことは可能か。

第3節 転換権

1 転換権の行使期間に関して

Q9 改正法の施行後、転換権が発生するのは早い場合でいつ頃か。

Q10 いつからいつまでの間、転換権が行使できるのか。行使しなかった場合どうなるのか。

2 転換権の行使期間に関する制約等

Q11 転換権の行使・不行使を明らかにするよう催告することは可能か。催告に対し無回答だった場合の効果は。

Q12 転換権の行使可能期間を制限することは可能か。

3 転換権の発生要件に関して

Q13 転換権を事前に放棄することは可能か。事後に放棄する場合はどうか。

第4節 転換の効果・転換後の労働条件(別段の定め)

1 転換の効果

Q14 転換権行使の効果はどのようなものか。転換後の労働条件はどうなるのか。

2 転換後の労働条件及び別段の定め

Q15 転換後の労働条件に関する「別段の定め」とは何か。

Q16 勤務地・職種を限定している有期契約労働者が無期転換した場合、他の無期契約労働者と同様に配置転換することが可能になるのか。

Q17 これまで契約更新時に、所定労働日や始業終業時刻等の定期的変更を行っていたが、転換後もこのような扱いを続けることは可能か。

3 転換後の労働条件の水準

Q18 転換後の労働条件(賃金等)を下げることは可能か。

Q19 転換後の労働条件につき、改正労契法20条違反は問題になり得るのか。

Q20 転換後の労働条件と、正社員の労働条件との間で、差別禁止等は問題になるのか。

第5節 転換後の就業規則

1 就業規則の適用対象者

Q21 転換後の労働者に適用される就業規則は有期契約労働者用の就業規則か、それとも無期契約労働者用か。

2 就業規則の新設等

Q22 転換後の労働者に適用される就業規則を別に作成すべきか。

Q23 転換後に適用される就業規則を新設する場合、どのような点に留意すべきか。

Q24 転換後に適用される就業規則はいつまでに作成すべきか。

第6節 契約期間の上限

1 就業規則の変更

Q25 転換権が発生する前に就業規則を変更し、契約期間につき上限を設けることは可能か。

2 個別合意

Q26 雇入れ時又は契約期間中に契約期間の上限を個別に合意し、転換権が生じないようにすることは可能か。

第7節 特殊な有期労働契約や雇止め法理との関係

1 特殊な有期労働契約

Q27 登録型の派遣労働契約が転換した後の法的関係は(労働者派遣契約の消長にかかわらず雇用関係が存続することになるのか等)。

Q28 雇用継続に対する合理的期待が生じる余地のない純粋な有期労働契約にも転換権が発生するのか。

2 転換権と雇止めの関係

Q29 省令の基準に照らし、二つ以上の有期労働契約が連続しているものとして扱われる場合、雇止め法理の適用の有無を判断する際にも、同様に連続したものとして考慮されるのか。

Q30 すでに転換権を行使した者に対し、転換前に雇止めすることは可能か。どのような問題があるか(解雇予告の要否等)。


第2章 「雇止め法理」の法定化に対する実務上の対応

~有期労働契約のあるべき活用方法~

第1節 改正労契法19条の趣旨・内容

Q1 改正労契法19条はどのような条文か。

Q2 雇止め法理を法定化する目的は何か。

Q3 法定化の対象とされたのはどの判例か。

Q4 改正によって条文番号はどのように変更されるか。

Q5 改正労契法19条の要件と効果は。

第2節 改正労契法19条の問題点と予想される解釈論

1 労働者からの「申込み」について

Q6 判例法理と比較して労働者に加重された要件は何か。

Q7 「申込み」とはどのような言動を指すのか。

Q8 「申込み」について、具体的にどのような内容を主張・立証することになるか。

Q9 いかなる内容の申込みであれば要件を充たすのか。

Q10 期間満了後の申込みの場合、満了した労働契約と新たな労働契約の間には空白期間ができるのか。また、その場合のバックペイの処理はどうなるか。

2 「遅滞なく」について

Q11 「遅滞なく」とは一定の期間の経過のみによって判断されるのか。

Q12 使用者は、就業規則において期間満了後の申込み期間を制限することは可能か。

3 改正労契法19条1号と2号の適用関係

Q13 改正労契法19条の1号、2号を並べた意義はあるか。

4 各号の要件について

Q14 1号の「反復更新」は独立の要件なのか一要素なのか、またこれによりどのような違いが生じるか。

Q15 改正労契法19条2号の「満了時に」という文言は、判例法理と異なる適用結果を生じさせるものなのか。

5 改正労契法19条の主張立証構造について

Q16 改正労契法19条の主張立証構造はどのようなものになるか。

第3節 雇止めに関する実務上の対応(不更新条項及び更新上限条項の運用について)

Q17 改正法施行後にどのような実務対応が求められるか。

1 不更新条項及び更新上限条項について

Q18 不更新条項、更新上限条項とは何か。

2 不更新条項について

Q19 従来の裁判例では「合理的期待の発生」の認定や「一旦発生した合理的期待の解消」の認定において、不更新条項をどのように考慮しているか。

Q20 「合理的期待の発生」の判断において裁判例はどのような事情・要素を重視しているのか。

Q21 使用者から一方的に不更新の告知をした場合にはどのように判断されるのか。

Q22 「一旦発生した合理的期待の解消」の判断において裁判例はどのような事情・要素を重視しているか。

Q23 不更新条項を有効に機能させるにはどのような点に注意すればよいか。

3 更新上限条項について

Q24 従来の裁判例を踏まえると、更新上限条項を運用するにあたってどのよう点に留意すればよいか

4 有期労働契約の活用方法

Q25 有期労働契約はどのように活用されていくべきなのか。

参考資料1:不更新条項に関する裁判例

参考資料2:更新上限条項に関する裁判例


第3章 期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止

~内容と実務上の対応~

第1節 趣旨

Q1 改正労契法20条が設けられることになった背景、趣旨は何か。

第2節 施行日

Q2 改正労契法20条はいつから施行されるか。

第3節 要件

1 要件

Q3 改正労契法20条で不合理な労働条件となる要件は何か。

2 「労働契約の内容である労働条件」の範囲

Q4 改正労契法20条の「労働契約の内容である労働条件」とはどの範囲までの労働条件をいうのか。

Q5 当社では、社員食堂や厚生施設の利用、社員旅行、創立記念日の祝金については、就業規則に定めがなく、正社員に対して慣行として行われているだけだが、このような明示の規定がないものも均等に取り扱わなければならないのか。

3 「期間の定めがあることにより」の意義

Q6 有期契約労働者と無期契約労働者とでは転勤の有無や責任の重さなどが異なるが、このような場合でも全て均等に取り扱わなければならないのか。

4 「同一の使用者」の意義

Q7 改正労契法20条の「同一の使用者」と無期労働契約を締結している労働者とは、同一の事業場の無期契約労働者をいうのか、それとも事業場に関係なく、同一の企業の無期契約労働者をいうのか。

5 不合理性の判断要素

Q8 不合理かどうかは、いかなる要素に基づいて判断すればよいのか。

Q9 改正労契法20条には「その他の事情」とあるが、例えばどのような事情が考慮されるのか。

6 不合理性の判断方法

Q10 裁判所で有期契約労働者と無期契約労働者の労働条件の賃金の相違が不合理と判断された場合、差額全体が不合理と判断されることになるのか、それとも差額の一部(例えば8割を超える部分)のみが「不合理と認められる」と判断されることはあるのか。

7 他の差別禁止規定・均等処遇規定との比較

Q11 労基法やパート労働法、均等法にも同様の差別禁止規定・均等処遇規定があるが、改正労契法20条との違いは何か。

Q12 改正労契法20条とパート労働法8条とでは文言が異なるが、適用範囲に違いがあるのか。

Q13 当社では、有期契約労働者全員がパート労働者でもあり、パート労働法8条の差別的取扱いに対応しているため、改正労契法20条の施行については特に対応しなくてよいと考えてよいか。

8 民事訴訟における主張立証

Q14 有期契約労働者から改正労契法20条に基づく民事訴訟が提起された場合、企業としてはどのような事実を主張立証する必要があるか。

第4節 効果

Q15 労働契約や就業規則が改正労契法20条に違反した場合、当該労働契約、就業規則は無効となり、無期契約労働者と同じ労働条件が適用されることになるのか。

Q16 改正労契法20条に基づく請求としてどのようなものが考えられるか。

第5節 実務上の問題点

1 期間の定めの有無にかかわらず均等に取り扱うべき労働条件の範囲

Q17 通勤手当は、有期契約労働者、無期契約労働者を問わず均等に取り扱わなければならないか。

Q18 食堂の利用については、有期契約労働者、無期契約労働者を問わず均等に取り扱わなければならないか。

Q19 安全管理上の措置については、有期契約労働者、無期契約労働者を問わず均等に取り扱わなければならないか。

Q20 教育訓練については、有期契約労働者、無期契約労働者を問わず均等に取り扱わなければならないか。

Q21 基本給、賞与等の賃金については、有期契約労働者、無期契約労働者を問わず均等に取り扱わなければならないか。

Q22 退職金については、有期契約労働者、無期契約労働者を問わず均等に取り扱わなければならないか。

2 適用範囲

Q23 有期契約労働者を有利に取り扱うことも禁止されるのか。

Q24 有期契約労働者の間の労働条件の相違についても改正労契法20条により違法とされることがあるか。

Q25 当社では、定年を迎えた労働者を有期契約労働者として継続雇用する制度を設けているが、再雇用後は定年前の基本給を引き下げている。このような取扱いは改正労契法20条に反するのか。

Q26 有期労働契約が改正労契法18条により無期労働契約に転換したが、転換後の労働条件が正社員と異なる場合、この相違は改正労契法20条により違法とされないか。

3 改正労契法20条の施行による実務的影響

Q27 有期契約労働者と無期契約労働者の労働条件の相違については、来の裁判例ではどのように考えられていたのか。

Q28 改正労契法20条の施行により、実務上、どのような類型の紛争が生じることが考えられるか。

Q29 改正労契法20条の施行に備えてどのような対応が必要か。

対照表


第3編 全体討議と個別論稿

第1章 全体討議

~改正労契法の無期転換申込制度をめぐる諸問題について~

1 はじめに

2 有期労働契約法制を導入している韓国の実態について

3 転換権の行使に対する合理的制限をかける実務上の方策

4 転換権行使に対する催告は可能か

5 転換権の法的性質は

6 無期転換後の労働条件をどのように設計すべきか

7 改正労契法に対応する就業規則はいつまでに整備すれば良いのか

8 雇い止め法理の法廷化が実務に与える影響は(更新上限と不更新条項)

9 就業規則上の更新上限規定と無期転換就業規則は両立するのか

10 既に雇用している有期労働契約社員に対して更新上限規定を入れる場合の問題点

11 申出権の事前放棄は公序良俗違反なのか

12 無期転換と登録型派遣の関係

13 改正労契法20条の法的効果について(不合理な処遇の禁止)


第2章 高年齢者雇用安定法、派遣法、及び有期労働契約法制の改正をもとに今後の高齢者活用を考える

第1節 改正三法の概要

1 改正派遣法の概要

2 改正高年法の概要

3 改正有期労働契約法制の概要

第2節 今後の企業対応のために残された問題点


第3章 時代の変化に伴う有期雇用終了を巡る裁判例の変遷

~15年間の裁判例を分析して~

第1節 平成10年~14年における有期雇用契約終了を巡る裁判例の動向

第2節 平成15年~19年における有期雇用契約終了を巡る裁判例の動向

第3節 平成20年~24年における有期雇用契約終了を巡る裁判例の動向


巻末資料